11月8日、令和6年度「薬都創造コンソーシアム推進委員会」を実施しました。
薬都創造コンソーシアム推進委員会とは
富山くすりコンソの取組みについて、地域の医薬品製造企業・医薬品関連企業の方々と情報交換し、事業の円滑な運営に協力・支援いただくために、富山県薬業連合会に設立された委員会です。
富山くすりコンソの進捗状況や人材育成事業を報告
森和彦事業責任者より、研究テーマの進捗状況および支援方針と学生向け人材育成プログラム「ネクスト・ファーマ・エンジニア養成コース」「バイオ医薬品専門人材育成事業」について、受講者の声などを含め、実施内容を報告しました。 牛島豊彦連携コーディネーターからは、社会人向け研修「QbD実習研修」「受託製造所のQA交流会」「QC中堅研修会(仮称)」の実施計画を報告しました。
研究テーマの成果発表
富山くすりコンソ「実用化総合支援プログラム」の採択テーマについて、成果発表を行いました。
・研究テーマ名:医薬品関連製造現場のDXによる生産・製造・労働生産性の向上
・発表者:富山県立大学工学部 寺島修先生
寺島先生は医薬品製造工程のDX化に取り組んでいます。今回の発表では、製造設備の故障の前兆を知るための「設備予知保全」と、製造時のエラー発生を回避する「製造効率アップ」の2つの取組みが報告されました。これらは富山県内企業の協力を得て、実際の製造ラインで効果検証が進められています。
「設備予知保全」の取組みでは、目視確認など作業員の主観的な判断に頼っていた稼働状況の確認を、特定のデータを連続的に収集し可視化することによって、突発故障による様々なリスクの低減を目指しています。既に設備の延命化に効果が表れていることが報告されました。また「製造効率アップ」の取組みでは、設備データの解析によってこれまで知られることの無かった潜在的なエラー発生要因が特定され、その改善により不良発生率の低減効果が見られています。今後の製造現場でのDX化の広がりが期待される研究発表でした。
地域企業の方々と意見交換
意見交換では、バイオ専門人材育成の今後の構想や学生向けの人材育成プログラムの改善案などについて説明を行いました。今後とも医薬品製造企業・医薬品関連企業のニーズや課題等をお聞きし、富山くすりコンソの運営に役立てていきたいと思います。