2025.01.06
令和七年 新年のご挨拶

2025年(令和7年)がいよいよ始まりました。

今年で富山くすりコンソは8年目に入ります。新しい年の始めにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

まず、富山くすりコンソの取り組みに興味を持って頂き、様々な形で暖かくご支援を頂いてきた皆さまに改めて心から感謝いたします。皆さまのご支援・ご協力によりまして、富山でアカデミアの研究を基に実用化に取り組む産学官連携の仕組みが育ち、新たな人材育成の取り組みも3年目を迎えます。

これまで富山くすりコンソ応援プロジェクトとして、ふるさと納税や企業版ふるさと納税によるご寄付をお願いしておりますが、昨年も多くの方からご支援をいただきましたことに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。引き続き皆さまからのご支援をよろしくお願い申し上げます。

振り返れば、昨年は元旦に能登半島地震が発生して、富山県の医薬品産業も未だかつて経験した事が無い地震被害を受けました。また、年末には製薬業界として一致して廃止を求めていた薬価の中間年改定が残念ながら実施される事になってしまいました。

業界にとって厳しい事業環境がまだ続きそうですが、300年以上に及ぶ富山のくすりのビジネスで先人が乗り越えて来た幾多の苦難を思い起こしつつ、未来に向けて創意工夫と様々なチャレンジを試み、ピンチをチャンスに変えて行きたいと思います。

一方、富山のくすりを支えるこれからの人材育成については希望の光が見えて来ています。昨年4月からは富山大学薬学部に地域枠が設けられ、地元で活躍する薬学人材の育成が始まりました。2年目を迎えた「ネクスト・ファーマ・エンジニア養成コース」には8月~9月にかけて全国51大学から薬学部・理工系学部の大学生・大学院生134名が受講し、90%以上の受講生が満足したとの評価をしています。受講生の中から希望者を対象に新たな取り組みとして行った「現地企業見学体験会」では、参加後のアンケートで「今後の進路は製薬企業を考えているが、富山で就職したいという思いが強くなった。」などの嬉しい感想が寄せられました。今年は富山のくすりづくりに更に魅力を感じて貰えるよう、よりパワーアップした内容を用意したいと思います。

また、これまで6年間に亘って継続しているバイオ医薬品専門人材育成では、神戸に拠点を置く、バイオロジクス研究・トレーニングセンター(BCRET)のご協力により、社会人向け・学生向けそれぞれの講義と実習を実施し、これまでで最も多くの参加者が受講しています。この他にも、より高度な社会人向けの取り組みとして、県内製薬企業の品質保証担当者を対象にQA研修会を昨年12月に実施し、今年3月までには開発担当者向けのQbD研修会、品質管理担当者向けのQC研修会の開催を予定しています。

研究開発面では、これまで①経鼻投与型ワクチンに必要な新しい粘膜アジュバントの開発、②メタボリックシンドロームを改善する生薬エキスの機能性表示食品としての開発、③安全かつ環境負荷を低減した植物由来の触媒の開発、④医薬品の開発、製造時間の短縮につながる新たな迅速無菌検査法の確立、⑤小児用ミニタブレット製造用の杵臼開発などの成果が出ております。

引き続き新たな早期研究シーズへの支援を継続すると共に、プロジェクト型の取り組みとしてDXによる競争力の高い医薬品創製拠点を目指すため、富山大学附属病院臨床研究開発推進センターにおける分散型臨床試験の導入と富山県立大学DX教育研究センターを活用した医薬品生産の技術革新にも取り組んでいます。

このような、富山くすりコンソの取り組みを、より多くの方々に知っていただけるように、専門家からアドバイスをいただきながら、情報発信にも力を入れて来ています。

従来からのプレスリリース、HP・SNS、BioJapanなどのイベントでのPRに加え、新たな取り組みとして、「KTT通信」(HTML形式のメルマガ・週に一度程度配信)の配信を始めるとともに、特に若い世代の方々に広く富山くすりコンソを知っていただくため、リール動画を活用した取り組みを始めたところです。今年も様々な媒体を活用し、くすりに関わる様々な方々と、もっと深いつながりを拡げられるようになることを目指してタイムリーで魅力ある情報発信に努めてまいりたいと思います。

皆さまにとりまして2025年が素晴らしい一年となりますよう、富山くすりコンソ一同、力を合わせて頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

 

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