2023.09.19
【講師のご紹介②】10/6産学官連携シンポジウム2023 ~低分子創薬に未来はあるか?低分子VS.新モダリティ~

10月6日の産学官連携シンポジウムで講演いただく内川 治 様(東和薬品株式会社)にコメントをいただきました!
・講師:東和薬品株式会社 取締役 内川 治 様
・演題:新薬 vs. ジェネリック

 (以下、講師の内川様からのコメント)

 武田薬品工業株式会社に入社以降、創薬デザイナー(メディシナル・ケミスト)として新薬探索合成業務(制癌剤、抗転移剤、降圧剤、中枢神経系薬剤、抗アレルギー剤、抗炎症鎮痛薬、抗動脈硬化薬、骨・関節治療薬、糖尿病治療薬)に従事しました。疾風怒涛のようなその道のりは険しくとも、自らのアイデアを活かして画期的新薬を手にすることができる創薬の現場は、使命感と醍醐味に満ちたものでした。その後、大学に籍を置いたものの、2017年6月に 「後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成する」 旨の閣議決定がなされ、「ならば低分子薬に関する知識、経験、自らのビジョンを活かして日本の医療に貢献したい」 と考えて “プラスアルファの価値の創造” や “自製化” に積極的に取り組む東和薬品株式会社に転身して現在に至っています。日本の医療に貢献すべく、“Made in Japan、安定供給、品質へのこだわりの実現” などの諸問題の解決に日々奔走しています。

 島国の日本は、私たちなりの手法で、世界の五本の指に入る低分子創薬の実績をこれまで築き上げてきました。しかしながら、急速に進んだグローバル化が他国との距離を一気に縮め、コスト競争に拍車がかかり、モノ造り大国だった日本は、今や他国に医薬品製造を委ねるという状況に追い込まれ、自ら追い込んでいます。他国の追随を許さず、地産地消(製造の国内回帰)を現実のものとする、日本の強みとしてきた創薬力や技術力を失うことになりはしないかと危惧しているのは私だけでしょうか? “くすりづくり” には、今もなお様々な取り組みや技術の進歩が必要とされており、製薬業に携わる私たちは、最新技術の粋を極めた製品化を常に意識して邁進する姿勢を忘れてはなりません。今こそ、産官学の区別なくオールジャパンで総力を挙げて独自の強みや差別化の確立に真剣に取り組み、有事の際は袂を連ねて人々に奉仕する姿勢が求められています。限られた時間ですが、私の想いを具体的な事例を挙げながら紹介したいと思います。

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