2024.02.29
【論文発表】富山県立大学の研究論文が、国際学術雑誌「Genes to Cells」に発表されました

「生薬甘草の成分が、NLRP3遺伝子変異によるNLRP3インフラマソームの恒常的な活性化を阻害することを発見」

富山県立大学 工学部医薬品工学科の長井良憲 教授がリーダーを務める研究グループは、生薬甘草成分のひとつであるイソリクイリチゲニン(ILG)が、カスパーゼ1の活性化と変異NLRP3の凝集を抑制することにより、NLRP3インフラマソームの恒常的な活性化を阻害することを見出しました。
NLRP3の遺伝子変異によって引き起こされる自己炎症症候群「クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)」は、IL-1βが過剰産生されることを原因とする疾患であり、このことからILGが将来的にCAPSの治療薬候補になりうることが期待されます。

この研究グループには富山県薬事総合研究開発センターから髙津聖志 所長と本田裕恵 課長、高山信幸 主任研究員が参画しています。この研究成果は、2024年2月17日に国際学術雑誌「Genes to Cells」オンラインに掲載、発表されました。
本研究は、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムがサポートする研究テーマのひとつです。

論文タイトル
Isoliquiritigenin inhibits NLRP3 inflammasome activation with CAPS mutations by suppressing caspase-1 activation and mutated NLRP3 aggregation