Introductionでは、厚生労働省、MEDISO、大手メーカーという様々なお立場からベンチャー企業への支援策や、受託企業が実施すべきアプローチについて、ご講演いただきました。
写真右上：厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課ベンチャー等支援戦略室　主査　米川由也氏
左下：株式会社三菱総合研究所　MEDISOプロジェクトマネージャー　川上明彦氏
左下：株式会社ミノファーゲン製薬　顧問　脇坂盛雄氏

Venture Sideでは、県外の創薬ベンチャー企業３社が登壇され、自社シーズの紹介やベンチャー側が委託にあたって抱える課題等についてご講演いただきました。
写真左上：ラデナ・サイエンス株式会社（設立準備中）代表取締役社長（予定）長嶺聖史氏
右上：ナノキャリア株式会社　執行役員研究開発企画部長　小野寺優子氏
左下：ジェイファーマ株式会社　最高技術責任者（CTO）兼製造品証部長　上嶋康秀氏

Toyama’s Manufacturing Sideでは、富山県薬業連合会にある委受託委員会と、県内医薬品受託製造企業３社が登壇され、自社の取組み紹介や、ベンチャー企業との取引経験について、具体例を交えたご講演もありました。
写真左上：富山県薬業連合会委受託委員会　委員長（ダイト株式会社　取締役常務執行役員営業統括兼製薬本部長）日詰和重氏
右上：富士化学工業株式会社　経営企画室室長　森泉聖孝氏
左下：富士製薬工業株式会社　執行役員研究部長　金山良成氏
右下：株式会社富士薬品　生産事業本部技術開発部部長　野上俊宏氏

そして、Panel Discussionでは、「受託ビジネスはさらに躍進できるか　～創薬ベンチャーとのマッチングの可能性～」をテーマに、５人とパネリストとモデレーターによって活発なディスカッションが行われました。

写真左から、モデレーター：「くすりのシリコンバレーＴＯＹＡＭＡ」創造コンソーシアム　副事業責任者　森俊介氏
パネリスト：「くすりのシリコンバレーＴＯＹＡＭＡ」創造コンソーシアム　アドバイザリーボード委員（ナノキャリア株式会社　取締役（監査等委員））宮嶋勝春氏、上嶋氏、脇坂氏、野上氏、日詰氏

はじめに、モデレーターである森氏からベンチャー企業と県内企業の現状についての紹介と、パネリストである日詰氏から県内医薬品受託製造企業が会員となっている委受託委員会へ実施したアンケート結果の報告、宮嶋氏からベンチャー企業からの受託についてのショートプレゼンテーションがありました。
パネリストの議論では、ベンチャー企業の課題として、スケジュールや予算に余裕がない点、CMCに関する経営者からの理解や人員・情報量が乏しいことが指摘されました。一方、県内企業の課題としても、ベンチャー企業側の人員、設備などのリソース不足、製剤・分析・薬事などの専門性が十分でないことが挙げられ、課題認識の共有が図られました。ここで、富士製薬工業㈱金山氏の講演を踏まえ、ベンチャー企業からの受託は、技術力の向上やコネクション増加など、企業にとって成長の機会となる良い面が多くあることがパネルディスカッションの場で確認されました。
最後に、県内企業がベンチャー企業からの受託を成功するにはどうすべきかについて議論が行われ、スケジュールに余裕をもった事前協議や柔軟で臨機応変な協力体制構築の必要性などが挙げられました。また、受託企業リストや共通窓口があればよいという意見に対し、委受託委員会から、リニューアル中の富山県薬業連合会HPがその役割を担っていきたいとの意見もありました。さらに、ベンチャー企業が気軽に相談できるコンサルティングや、ベンチャー企業と共同研究する県内企業が使える助成金制度を活用すべきとのご意見もあり、県や業界団体によるサポートが重要であるとの意見も寄せられました。